カテゴリー: WINE REGIONS

EGER WINE REGION
エゲル地方
投稿者: wpmaster

エゲル地方 エゲルワイン地域 エゲルはハ…

エゲル地方

エゲルワイン地域

エゲルはハンガリーの歴史あるワイン産地の一つです。
ハンガリー北東部、ヘベシュ州(HevesMegye)のエグリブッカリャ(山脈)の南斜面に位置し、総面積22,160ヘクタール中の約6000ヘクタールがブドウ園となっております。
この地域の葡萄栽培とワイン文化は、約1,000年前までさかのぼり、昔からここに住む人々の生活に影響を与え続けています。

■岩盤、土壌

ワイン生産領域の岩盤のほとんどはリオライト・トゥファという500万年以上前の凝灰岩の層で覆われており、地表は粘土、石灰、粘板岩、ゼオライト、泥灰土、砂岩を豊富に含んだ硬質なこげ茶色の土壌(褐色土)です。

■気候

雨が少なく、ハンガリーでは最も乾燥していて寒いワイン地域の一つです。
エゲルの北側にはビュック山脈がそびえており、北から流れてくる寒気はある程度遮断はしていますが、それでもエゲルの冬は長く、年間を通して平均気温は低めです。
そのため、赤ワインのぶどう畑は主に南と南西に面した斜面で栽培されています。

年間降水量:  550-600ml
年間平均気温: 10.5 °C
年間日照時間: 1900-2000時間

■歴史

エゲル市は10世紀に設立され、ぶどう栽培の始まりは11世紀頃からだと考えられています。
ぶどうの生産とワインの貿易は16世紀に大きく発展しましたが、16世紀後半からトルコの支配により生産量が減少してしまいました。しかし、なくなった訳ではありません。ブドウ栽培はトルコ支配の間の91年間もずっと行われていました。
当時、この地域は白ワインが主に生産されていました。赤ワイン造りの技術とぶどう品種カダルカの導入は、トルコからハンガリーに逃れたラツ人(中世後期から近世にかけてのセルビア人の一般的な異名)によって紹介されました。
その後、赤ワインのぶどう品種はますます多く栽培され、一方で白ワインのぶどうの栽培が減少しました。
18世紀の初め頃、ぶどう栽培に規制が定められました。エゲルの畑を守るためにエゲル市の裁判官と評議会によって山岳警察が結成され、ぶどうの収穫日、日雇い労働者の賃金と労働時間などが決定されました。

フィロキセラまでの栽培方法としては、いくつかのぶどう品種を1つの領域の混合で栽培し、収穫も一緒にして処理していました。
しかし、1886年、フィロキセラはエゲルに襲来し、ぶどう畑の大部分は破壊され、その後はそれぞれの品種が別々のボードに植えられる栽培方法が般的になりました。
この時期にブルゴーニュ品種の栽培も始まりました。

■ブドウ品種

白ブドウ:イタリアン・リースリング、シャルドネ、ハーシュレベル、レアニカ
黒ブドウ:ケークフランコシュ、メルロ、カベルネフラン、ピノノワール、ポルトギーザー、カダルカ、カベルネソーヴィニョン

エグリビカヴェールとは
エゲルでもっとも有名なワインはエグリビカヴェールでしょう。
この赤ワインは数種類の黒ぶどうのブレンドによって造られています。
元々はカダルカをベースとしたものが主流でしたが、今日ではケークフランコシュがベースとなっているものが多いです。
エグリビカヴェールは1997年に導入された規制により、「11種類の伝統的なぶどう品種のうち3種類以上を含むもの。」と指定されました。
これはハンガリーで最初のDHC(フランスでいうAOC, イタリアでいうDOC)の作成となりました。
エゲルの
ワイナリー
VILLÁNY WINE REGION
ヴィラーニ地方
投稿者: wpmaster

ヴィラーニ パンノン地方 ヴィッラーニ …

ヴィラーニ パンノン地方

ヴィッラーニ Villany

クロアチア国境近くのハンガリー最南端の産地で、北緯46度の線に沿ってボルドー北部地域とほぼ同緯度にあるワイン産地。
ハンガリーの他の地域に先駆けて小さなワイン生産者がワインの瓶詰めを始め、また、外国からの投資を受け入れ、ワインに対する適正な価格を達成し、極めて夕ンニンの豊富な赤ワインのスタイルを発達させた。

■歴史

1960年代に大規模植樹の準備で深く耕した際に、ローマ時代より更に遡る新石器時代から鉄器時代にかけて入植したケルト族がブドウ栽培を行っていたことがわかった。
ハンガリー王国初期のブドウ栽培は、ペーチにあるペーチヴァラード大修道院設立憲章に記述が残されている。
オスマン支配終焉後、セルビア人によりカダルカがもたらされ、1740年になると勤勉なドイツ人入植者により進歩的な農業のノウハウとドイツのブドウ品種“ケークオポルト(ポルトギーザードがもたらされた。
1854年生まれのジグモンド・テレキは、フィロキセラに対抗できる台木を開発した功労者である。

■気候風土

大陸性気候と地中海性気候が混ざり、夏は暑く冬は温和。年間降雨量は600~650m mで、基本的には乾燥地帯である。
土壌は石灰岩、白雲石、アドービ粘土黄土、褐色土壌。

■主要ブドウ品種

カベルネ・フラン、ポルトギーザー、ケークフランコシュ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、オラスリズリング、ハールシュレヴェリュ、シヤルドネ

■ワイン生産量(2017年現在)

ワイン産地の面積5,820ha、栽培面積2,519ha、収穫量168,179hl、ワイン生産量103,919hl。
ヴィラーニの
ワイナリー
TOKAJ WINE REGION
トカイ地方
投稿者: wpmaster

トカイ ワインの産地と特徴 トカイ地方 …

トカイワイン

トカイ ワインの産地と特徴

トカイ地方

プロフィール:
首都ブダペストの北東230kmに位置し、北端はスロヴァキア国境と接する。
2002年、スロヴァキアとウクライナの国境に近いハンガリー北東部に位置するトカイの山裾に広がる地域一帯がユネスコの世界遺産に登録された。現在、27の町と村から構成され、人口は74,000人。

■歴史

仏王ルイ14世が「王のワインにしてワインの王皿称したという逸話が有名なトカイワインは、16世紀から、他にもビョードル大帝や女帝エカテリーナ、マリアテレジアなど、多くのヨーロッパの王侯貴族に愛されてきた。
その産地トカイ・ヘジャリアTokaj-hegyalja(2017年現在はトカイ)は、土地の等級と目照の程度によって世界で最初にブドゥ畑が格付けされたワイン産地であり、(Johnson and Robinson2013年:258/訳2014:258)。1716年のイタリア・キャンティ(Chianti)、1737年のトカイ、1756年のポルトガル・(Porto)が、世界でもいち早く原産地呼称統制を導入地域である。

[トカイワインの原産地呼称をめぐる問題]

1.アルザスのトカイ・ピノ・グリとイタリアのトカイ・フリウフリウラーノ
 →2007年4月以降トカイという産地名の表記が禁じられた。

2.1920年トリアノン条約により領土の3分の2を失い、トカイ産地4,700haのうち175haが、新たに誕生したチェコスロヴァキア(現在のスロヴァキア)に割譲された。スロヴァキア国内でのトカイという産地名の使用について長年 に渡り協議されてきたが、2012年欧州司法裁判所はハンガリーとスロヴァキア両国でのトカイの原産地呼称の使用を認め、ハンガリーの不服申し立ても、2013年2月に却下された。

現在スロヴァキアでトカイと名乗れる産地名はKistoronyaとSziliskeという畑名の2つ。

(参考文献:2017年1月の神奈川大学による研究ノートのWEBページ http:klibredb.lib.kanagawa-u.ac.jp/dspace/bitstre/am/10487/14364/1/52-%281.2%29-05.pdf)

■気候風土

ゼンプレーン山脈の丘陵地帯の麓では年間平均気温は9~10℃、7月には21℃、1月にはマイナス3℃、丘陵地隊
南南東斜面の年間平均気温は13℃。年間降水量は500~700mmで、夏の早い時期に降水は集中する。
1500万年前から600万年かけて火山活動によって作り上げられた土壌は流紋岩、安山岩質凝灰岩、黄土が中心で、この地質の影響により、極めて個性豊かなワインが造られる。この地域の最南端にそびえる成層大山のトカイ山の 麓がボドログ川とティサ川の合流点で、タルツァル、マード、シャーロシュパタク、シャートラルウーイヘイなどのブドウ畑が広がる。

地形と気候の影響により、秋の日夜の寒暖差に起ち上がる霧が貴腐菌(ボトリティス菌)を発生させ、世界三大貴腐ワインの一つであるトカイワインは生まれる。

■ワイン生産量(2017年現在)

産地の面積11,941ha、栽培面積5,768ha、収穫量268,267、ワイン生産量165,420hl。

■主要ブドウ品種

フルミント、ハールシュレヴェリュ、シャールガムシュコタイ

トカイワインの等級について

2013年にワイン法が改定され、現在の等級分けは以下の通り。

エッセンシア:貴腐ぶどうのフリーランジュースからのみ造られ、残糖度が450g/l以上のもの。

アス-・エッセンシア:以前はアスーの6プットニョシュを超える残糖度のあるもの(180g/l)がこのカテゴリーに当てはめられたが、この等級は2013年に廃止された。現在、等級としてはアス-のカテゴリーとなり、生産者の自由でラベルに残糖度が(例えば220g/lと記載されるが、これは義務ではない。

トカイ・アス-:2013年にワイン法が改定され、以前は残糖度に応じて、3プットニョシュ(残糖度60g以上)から6プットニョシュ(残糖度150g以上)まで等級分けがされたが、改定後、3プットニョシュ、4プットニョシュのカテゴリーは廃止され、残糖度が120g以上のものが“トカイ・アスー"となり、5プットニョシュ、6プットニョシュとラベルに記載することは義務ではなくなった。
ただし生産者が6プットニョシュと記載する際には残糖度は150g以上なくてはならない。なお、義務ではないが、裏ラベルに正確な残糖度を記載することが出来る。
アスーワインを市場にリリースできるのは、収穫年から3年後の1月1日以降となり、樽熟成と瓶熟成を合わせて3年は変わらずだが、樽熟成の期間は最低2年から18ヵ月となった。

数値的な最低基準:総酸度:6g/l、アルコール度数9%、抽出物35g/l

サモロドニ Szamorodni:とは、“自然のままに”という意味のスラブ語で、エッセンシアやアスー用のブドウの収穫は一粒ずつ摘み取るのに対し、他国の貴腐ワイン産地と同様に、房ごと収穫したブドウを醸造して造られる。
ブドウの状態(貴腐の割合による)によって辛口になったり甘口になったりする。辛口のワインはサーラズSzarazと表記し、甘口のものはもエーデシュEdes表記する。 残糖度が30g/l以上のものがサモロドニ・スイート(甘口)となる。

フォルディターシュForditis:アスー用ワインの二番搾りの果汁にマストを加えて再発酵、熟成させたワイン。

マースラーシュMaslis:英語の“コピー"の意昧。アスー、またはフォルディターシユ用のワインの搾り澱に、 マストないしはワインを注ぎ、再発酵、熟成させたもの。

トカイ・ワインの品質区分と残糖分

サモロドニSzamorodni                 
ワイン品質区分最低残糖分熟成期間
サーラズSzaraz(辛口)9g/l以下辛口最低2年(樽熟成 1年)
エーデシュedes(甘口)45g/l以上(甘口)最低2年(樽熟成 1年)
アス一Aszu                  
ワイン品質区分最低残糖分熟成期間
アスーAszu120g/l以上樽熟成18ヵ月
エツセンシアEsszencia樽熟成18ヵ月
その他:
マースラーシュMaslas
フォルディターシュForditas
どちらも辛口と甘口かある 9g/l以下(辛口) 45g以上(甘口) 最低2年(樽熟成 1年)
トカイの
ワイナリー